今ここにあるしあわせ
登場人物は三姉妹+両親ですが、
姉妹の性格やそれぞれの人生観、
おかれている環境が違い、
あらゆる年代の現代女性のかかえる問題が凝縮されています。
それぞれの目線で書かれた連作短編小説で、文章が読みやすく1日で読了。
少し詰め込みすぎな印象も受けますが、
1人1人自分のしあわせに気がついていく心理描写が細かく表現されてます。
印象的なのは最後の三女から次女へ手紙の文章です。
『完璧な幸福なんてどこにあるんだろう。欲しいものを求めているばかりでは、ここにあるわたしのしあわせはこぼれていってしまう。』
欲しがるのはいいけど、手に入らないものをいつまでも追いかけていたら、きっと自分を見失っちゃいますね。
人と比べて自分はどうだっていうモノサシではかっていたらいつまでたっても自分のしあわせを自分では気がつけないんだとこの本に教わりました。
誰かの一言だったり、優しさだったりきっかけは些細なことですが、
それに気がつけるかどうかで価値観が変わるのかもしれないです。
そんな一冊でした。